インド調査日記2002vol.15

12/14

インドでは手続きといったものは一般的に非常に手間がかかります。

エアインディアで航空券の再発券の手続きをしているのですが、3時半に来て6時まで待たされたりします。



調査でやらなければいけない事がいっぱいあるのに、とあせる気持ちもあるのですが、仕方ありません。



しかし、ひまです。

どうやってひまをつぶそうか途方にくれます。



街中では、暇つぶしの相手に事かかないのですが、さすがに待合ロビーでは誰もかまってくれません。

今まで声をかけられまくっていただけに戸惑います。

ここまで放置されているのはインドへ来てからなかったのではないでしょうか?

仕方ないので放置プレイだと思って楽しむことにしました。

あ、俺、今、ほっとかれてる・・・あ、きもちいい・・・

すいません、嘘です。

快感はありませんでした。むしろ、そんな事を発想する自分に引きました。

しかし、放置プレイというのもある意味悟りの境地だったんだなぁと、改めて感心しました。ほっとかれることが快感になるんですから。

待ち時間なんか気持ち良くてしかたないんだろうなぁ・・・



仕方ないので、客同士の会話を勝手に想像して楽しむことにしました。



若いイスラム教徒の男女がいました。

女性はストールで全身を隠しているので謎めいています。

かってに駆け落ちしている男女ということにしました。



「俺たち、これから二人っきりになれるところへ行こう」

「それはどこなの?」

「アラブにはハクション大魔王って言う人がいて、くしゃみをすれば何でも願いをかなえてくれるそうだよ。これから彼にあって二人きりの国をもらおうよ」

「ステキ」



・・・ここまで想像してふと我に返りました。

ハクション大魔王ってアラブ出身でしたっけ?

また、イスラム→アラブ→ハクション大魔王・・・

自分の発想の貧弱さ、頭の悪さに眩暈がしました。



べ、別の人にしよう。

今度は谷村新司そっくりなインド人がいました。

口ひげや、鼻、そして頭の出来具合まで完璧。

「俺は日本でどんな仕事をするんだい?」

「日本にはシンジタニムラといってお前にそっくりなスターがいるんだ。それで、彼のそっくりさんとしてテレビにですんだよ」

「おお、そりゃいいや。ところでシンジタニムラっていうのはそんなに有名なのかい?」

「そりゃ、もうすごいらしいぜ。なんせ彼はエロ本のコレクターとして有名らしいんだ!5千冊もエロ本を持ってるらしいぜ!」

「そりゃスゴイ!!」

ここでもふと我に返りました。

谷村新司といえば、チャンピオンやスバルといった名曲を世に送り出した、中国でも人気のある国際的な歌手です。

自分のなかでは、そんな彼の実績よりも「エロ本のコレクター」の方が印象が強いのでしょうか?

自分が何か間違っているような気がしました。


「長い間お待たせしてごめんなさい」

やっと受け付けのお姉さんが呼んでくれました。

いえいえ、気になさらずに・・・(放置プレイとか谷村新司でたのしんでいましたから・・・)

「すみませんが今日の営業時間が終わってしまったので、明日もう一度来てもらえますか?」

えっ・・・