路上にて Vol.12

ジベタリアン

体調があまりよくなく、蒸し暑さに体力を奪われることもあって、よく地べたにへたり込む。


周囲のホームレスらしき人々は「新入りか?」と警戒心をもったまなざしで見てくる。
周囲のホームレスに比べ、色白だからだろうか?人目を引いてしまうようである。道を行き交う人々の視線を気にしてる余裕もなく、ただ目を閉じて体力回復を図る。


プーン。
羽音?
ふと目を開けると無数のハエがたかって来た。
え、何で?急に?
周りに、もっと芳しい香りを漂わせてる人いっぱいいるし。


それにも関わらず、ハエは私の周りにたかりつづけます。
ねずみなどの小動物や虫というのは、一番弱いターゲットを見定めて集中攻撃することがあるのだと、テレビで見たことがあります。


私が、一番弱い?弱ってる?


ひょっとして、このハエたち・・・私になら勝てると思ってる?




「調査のカッコ」


基本的に服のほとんどは現地調達である。
カッターシャツ一枚が150円前後。
シャツも同様の値段。


インドでは、おしゃれな若者は、日本のおしゃれな若者と同様、もしくはスタイルが良い人が多い分、もっと映えているかもしれない。


しかし、一般の多くの男性は、そんなに着るものに執着してる様子はなく、男性はやや大きめのサイズのカッターと綿パンというカッコが一般的のようだ。
もともと、顔立ちがはっきりして、整った顔をしている人が多いので服装でがんばる必要がないかもしれない。


さて、現地人と同化して、あまり人目を集めずに調査に集中したい私は・・・
白のやや大きめのカッターに、Gパンというカッコ。


このカッコだと、あまり日本人だとわからないようです。とりあえず観光客目当ての客引きにはあまり捕まりません。ホームレスに金をくれと絡まれることもありません。高級ホテルに入ると嫌な顔されます。銀行で両替の際、「香港ドルとルピーの交換ですか?」って聞かれます。


現地人にもなれず、日本人からもかけ離れていく・・・
うーん、なんか貧相になっただけのような気もします・・・


昔、深夜特急というドラマのなかで、大沢たかおがインドを放浪したのですが、同じようなカッコをしていたはずです。彼は、そのカッコでも・・・やはりかっこよい日本人でした。くたびれた服装でも輝いて見えたのが思い出されます。


顔の違いでしょうか?
身長の違いでしょうか?
オーラの違いでしょうか?


世の中、不公平です。