映画出演・・・できず Vol.8

調査の後、ホテルへ帰ると、ホテルのオーナーが、
「友達の映画関係の人が、外国人探してて、日本人役探してるんだけど、興味ある?」


JS「興味はあるけど、それいつなの?」
オーナー「今夜だよ」
JS「はぁ?!」


うーん、そんな適当な準備でよいのか?
一応、日本語ネィティブだし、柔道してたから受身できるし、アクションシーンくらいなら対応できるかもしれんけど。
JS「何役?」
オーナー「日本人役としか聞いてないけど」


よくわからんけど、めったに無い機会なので、引き受けた。
ホテルのオーナーに紹介してもらった人に撮影場所に案内してもらうと、わらわらと外人ばかり。


あ、エキストラなのね・・・


そりゃ、台詞つきの役をいきなり素人にやらせるはずはない。
どうやら、外国の国際空港の設定らしい。



そこで、突然、映画監督が、「うーん、そこの中国人、日本人やって!」
JS「へ??」


え、本場日本人がここにいるのに、なんで中国人が日本人演じるの?


どうやら、ラフなかっこをしてたことや、無精ひげを生やしていたことや、髪型なんかが、監督のイメージに合わなかったらしい。


選ばれた中国人は、7:3きっちり分けてるし。若干刈り上げが青々と。
彼はスーツを着せられ、首からカメラかけてられてるし。
・・・って思い切りステレオタイプだなぁ。


当然、約束されたギャラは出ず・・・。
まあ、映画の撮影を見れただけでもよかったけど。
インドで有名な女優さんにも会えたし(名前知らないけど)
トップスター見たいなかんじだから、日本でいうところの浜崎あゆみとかに会ったようなもんらしい(日本に友達に自慢しても誰もしらないけど)。
ほんと、キレイだった・・・(写真とらしてもらえなかったけど)。


インド映画の撮影を見ながら、本当に段取り悪いなぁとか思ったけど(セットが出来るまえにエキストラも俳優を現場によこしちゃうし、エキストラも当日にかき集めたらしいし・・・)、でも撮影自体は厳しく、何回も同じシーンを監督が納得するまで撮りなおしてた。
うーん。監督よりもむしろスタッフの質が悪かですかねぇ。


監督は外国人エキストラにも容赦なし。
まあ。ギャラでてるんだから、あたりまえっちゃーあたりまえなんだけど。
かき集めの多国籍軍を思ったとおりに動かすのは、結構力量の射ること。
それが出来る監督は、なかなかやり手だと思った。


インドの映画人って、イワユル日本の芸能関係の人っぽかった。
カーディガンとか首にかけて気取った業界用語使ってる感じ。
一般のインド人よりも、砕けてるというか、はじけてるというか。
華やかなんだけど、適当そう、軽そうって。



最初は興味深々で見てたのだが、同じ事の繰り返しに飽きてきた。
そこで、いわゆるロケ弁ってヤツを食い漁っていた。
普通のインドのカレー定食(ターリー)なんだけど、まあ、タダだしここぞとばかりに食い漁る。


早朝にまで撮影はおよび外国人エキストラはグロッキー。
そして、JSはロケ弁が大当たりで、激痛に転げまわる。
しかも俺だけって・・・


いったい何を混入されたのやら・・・芸能界にありげな、将来出る目をついばむってヤツか・・・陰謀を感じた。


うーん、退屈だし、疲れるし。
見学というのには多少苦痛。
映画の撮影っていうのは、どこの国でもそれは一緒なのかもしれないけど。
スタッフとして」参加したのなら違うかもしれないけど。
もう二度と参加なんかするか!ってことで。


主役をしてくださいっていわれたら、考えなおさないこともないが・・・。