映画にまつわるコネタ Vol.16

『映画館』


インドで娯楽といえば映画らしい。
安いところでは50円。
高くても250円くらいで映画が楽しめる。
ハリウッドの映画でもそれくらいの値段だ。

この値段はやはり大きい。
日本みたいに値段が高いと映画を見に行くことは、気楽なものではなく、ちょっと構えてしまう。
ちょっとしたイベントになってしまう。
調査帰りにちょっと映画でも見ていこうって気にはならない。
日本の映画館も、設備投資も大事だけど、安価な映画館ってのも大事だと思います。


インドの映画館でおどろくのが、映画館によってノリのよい映画館とノリの悪い映画館があるということだ。
昔、田舎の映画館で、インド映画特有のダンスシーンの際に、客も舞台に上がって踊っていたことがあって驚かされたことがある。


さすがにボンベイの映画館は、都会の映画館なのでそこまでノリがよい人ばかりではないらしく、おとなしいものである。
しかし・・・


今日見た映画は「kuch naa kaho」URL→http://www.kuchnaakaho.com
昼のメロドラマのようなストーリーだった。
子持ちの女性と、金持ち男性の恋愛モノだ。


最初ケンカばかりしていたこの二人なのだが、次第にお互いに意識し始める。
この子持ちの女性には、行方不明のだんながいるわけだが、このだんなは行方不明らしい。
女性と金持ち男性が、お互いの恋愛感情を理解して、うまくいきはじめたところに行方不明のだんなが帰ってきて、修羅場が何回となく起きるのです。


昼の連ドラならばドロドロの展開が売りなので、徹底的にドロドロしていくを視聴者は期待しているのでしょう。
しかし、ここはインド、まさか、ドロドロの展開なんて誰も期待なんか・・・(宗教に熱心=ケガレてない、ってステレオタイプ
と思いきや修羅場のシーンの度、映画館の観客からなぜか「ヒューヒュー」と口笛や拍手が・・・


そして、不甲斐なくもあっさり引き下がった元だんなのおかげでハッピーエンドだったわけですが、その展開にブーイングが会場から沸き起こったわけです。


うーん。
どうやらインドでも、ドロドロの展開を楽しむ、昼の連ドラ的な感覚といいますか、ワイドショー的な悪趣味の感覚はあるのだなぁと。
他人の修羅場は、娯楽として楽しむ感覚というのは、どこにでもあるもんなんだなぁと。


映画が終わりどんな客層かと思って会場を見渡すと・・・
家族連れ、カップルが多く・・・
この映画の選択・・・間違ってない?


※日本でこの映画が公開されることはないと思ってネタバレしちゃダメなところまで書いていますが・・・
 字幕なしのヒンディ語の映画だったので、内容はあくまでも推測です。
そんなに正確なストーリーを書いてないので、もし診る機会があったとしても、多分楽しめると・・・



『安全の為に』


インドの映画館は、大体指定席です。
チケットを買う時にどの席がよいか、客が選ぶことができます。
そして、館内に入ると案内係の人が席まで案内してくれます。


設備などは映画館によってピンきりなわけですが、ボンベイには古き良き映画館といった感じの、日本でいうと明治、大正期くらいのモダンな映画館が数多くあって、そういうのは結構好きです。


今は、この時期だからでしょうか?
入り口では、厳重な持ち物チェックがあります。
持ち物の中から、建物の図面や、ガムテープ、メジャー、はさみやナイフ、デジカメなど怪しげなものがわらわらと出てきて・・・
映画館に入る前に、まず警察に連れて行かれそうになります。


いやいや、待て待て。
「俺、日本人、テロ起こさない。」
片言にヒンディ語と、パスポート、そして飛び切りの笑顔で釈明する。


何が効いたのかよくわからないけど、館員の疑念は晴れたらしく、中に入ると
「安全の為、途中退出は禁止されてます」
インドの映画は休憩を入れて3時間30分。
つまんなくても、最後まで見なくてはいけない。


今回の映画は・・・三時間半見るのは・・・拷問のようでした。
多少Mの気がある私ですが・・・
この拷問は辛かったです。



『インド映画に思うこと―そこまでやるんだったら―』


インド映画では、キスシーンや濡れ場といったシーンを見ることはほとんどありません。
宗教的なものが原因か、どうかはさだかではないですが・・・


しかし、ラブコメの多いインド映画。
その恋愛に関するシーンの表現というものが独特に発展しているのではないかと思います。
キスシーンや濡れ場なしで、男女の恋愛の感情を表現する・・・
かなり試行錯誤したことでしょう。


男女の目線のやり取り、きわどい抱擁シーン、ダンスのシーンで”ダンスの間だから”ってことで許されているのかキワドイ指の動き・・・
等々、”婉曲”表現とでもいうのでしょうか?かなり、その婉曲表現が洗練されているように感じました。


直接的な表現をしないだけに、余計に耽美というか官能的というか、かえってやらしく感じられます。


もし、インド映画を見られることがあれば、そのあたりに着目してみてください。


個人的には、そこまでやるんだったら、キスシーンくらいやったほうが健全じゃない?って思うけど。



『最近は』


映画が始まる前に、インド国旗に向かって起立することがもとめられます。