Vol.18

JEIES2003-09-25

『ホテル ―インドでナルシストに目覚める?!―』


今度のホテルは、以前のホテルより物価の安い地域にある。
値段的には、前のホテルよりも安くなっているのだが、サービスが良い。


毎日シーツを代えてくれるし、毎日部屋の掃除をしてくれる。
手数料なしで、部屋に料理を運んでくれる。
洗濯のサービスもある。
国際電話もついてる。
ホテルの従業員の対応も誠実だし、信用できる。


インドでは従業員が信用できるか、どうか。
ホテルによって、従業員の質が違うのでこの見極めが大事なのです。


なかなか良いホテルを選んだと思います。
英語通じないけど・・・



ただ、机が小さく(写真参考)、調査に関する作業がしにくいのがイタイ。
55センチ×35センチの大きさしかありません。
そして、なぜか机の前には巨大な鏡がある・・・


ひょっとして、この机、化粧台?
いや、でも他に机らしきものなんてないし・・・
しかたないので、この”机”を作業場所にしています。
ホテルにいる間はずっとこの”机”に向かっています。


ホテルの従業員の方が部屋に入る時はいつも、私はこの”机”に向かっていました。
そういえば、みんな怪訝そうな顔してた気がします。
・・・ナ、ナルシストって思われた?!・・・


実際・・・
ふと前をむくと自分の顔が見れるわけです。
多分、私の生涯のなかで、こんなに自分の顔と向き合ったことはないと思います。
鏡の顔を見ているといろんなことが気になるものです。
「眉毛の形がきにいらないなぁ・・・」とか、
「あごのライン、丸・・・」とか、
「あれ生え際ヤバ・・・」とか、
「あ、鼻毛でてる・・・」とか・・・


眉毛を抜いたり、以前テレビで見たあごのラインを細くする顔体操とか、頭皮マッサージをしたり、鼻毛抜いたり・・・


気のせいだと思うのですが・・・
顔が変わってきた気がします。
なんだか、鏡に向かうのが楽しくなってきました。
・・・そう思い始めた自分を、病んでるなぁ、とも思う今日この頃。


追伸:ストレスで眉毛がなくなる人がいましたが、私は鼻毛がなくなりました。



『援軍到着』


一人で心細い現地調査。
一人で知らない人達の住む集合住宅へ侵入し、図面採取したり、写真取ったり、訝しがる住民の方々の誤解を解いて回って協力を仰がなくてはなりません。
しかし、慣れない、というか今までそういった調査未経験で挑戦している私がやっても、なかなか調査がすすまないわけです。


やっと合流してくれた人々は、その道の経験が豊富な方々。


本当に心強いです。
実は、最初っから彼らが私のなかでは主戦力で・・・
私の研究の調査でありながら、研究主体の私はむしろ補助的な役割にまわっちゃおうっかなぁ、なんて甘えたことを考えたりしたりしてました。
実際、私が死ぬ思いをして20日間やったことが彼らの手にかかると3日間で終わってしまいました。


住民とのやりとりもなれたものでした。
「ナマステ!」
と笑顔で挨拶から始まり、
「建築の学生なんだけど、中見て良い?」
と相手の返事も聞かぬうちに進入・・・そして、インド人達があっけに取られているうちに一人が侵入して、もう一人がさりげなくデジカメや日本の扇子なんかを取り出して「客寄せパンダ」と化して注意をひきつけるのです。
その間に、侵入した人が建物のプランを採取して出てくる・・・


彼らから教わったフィールド調査の極意・・・
①絶やさぬ笑顔。
②笑顔で遠慮のない質問をせよ。
③客寄せパンダ役は話のネタを用意せよ。そして笑いを取れ。
④怒られたら笑ってごまかせ。
⑤やばくなったら笑顔で全力逃走。


アホみたいですけど、本当に効果的だと思います。


さて、私も、同じような方法で調査してみます。
笑顔で「ナマステ!」
いきなり4,5人のインド人に取り囲まれます。
あ、あれ?なんか雰囲気違うくない?
いや、なんか皆さん・・・目が心なしか、すわってますが・・・
あれ、マリファナの匂い?


すると後ろから棍棒をもったおじさんが彼らをビシバシ叩きながら追いかけて来ました。
どうやら、彼らは勝手にアパートに進入してドラッグを吸っていた不良たちで、住人が怒って追い払っていたようです。


「こ、ここは笑顔で全力逃走のケースか?!」


私も彼らと同じように、思わず全力逃走・・・
「あはは・・・」
笑顔を絶やさぬよう努力しましたが、涙が頬を伝います。



『インドのジャズ』


インドでもジャズ音楽はありますが、インド流に消化されたような感じです。

日本で聞く、日本人のジャズというのは比較的日本臭さを感じることがないのですが、こちらのジャズはインド臭がプンプンと。
いや、ジャズバーがカレーのにおいがするとか、そういうのではなくて・・・


使っている楽器が、シタール(インドの弦楽器)だったり。
リズムがまったりしてるような、抑揚のないような・・・インド音楽独特の不思議なリズム・・・
でも、ピアノやトランペットといったものは確かにジャズの雰囲気をかもし出してます。


日本で例えるなら、ジャズにお琴や三味線が入り、雅楽のリズムでジャズをアレンジするようなもの。
いや、アレンジ次第では、適うものかもしれないけど・・・


ジャズというのも、彼ら流に消化しているんだなぁと思いつつ・・・も、日本人の私には・・・ちょっとなじめないなぁって。