Vol.27

無事帰国いたしました。
Tシャツで関西空港到着。
「さ、さぶっ!!」
日本って、もう寒い時期なんですねぇ。


ジャンプとか買って読んでみたら、すっかりマンガの展開がわからなくなってる・・・


たった2ヶ月。されど2ヶ月。


いろいろギャップを感じて、それが楽しいような、寂しいような。



ええと、まったく更新していないのに、多くのヒトがきてくださっているようで・・・


すいません。

http://d.hatena.ne.jp/cmstriker/20031012
http://d.hatena.ne.jp/asimov/20031012
コメントいただきましてありがとうございます。
楽しんでいただけたのなら何よりです。


今無事だから公開できる話があったので、それだけ更新しておきます。


日本の友人、研究室の関係者への報告目的だったこの日記に思わず多くの人が来てくださっているようで、本当にありがとうございました。


インド調査も終了いたしましたゆえ、ここで終わりにさせていただきます。






『プライド』


夜、ネットカフェでメールをチェックしたした帰り、男に声を掛けられる。
「Hi!」
インドでは普通によくあることなので
「Hi!」と返しておく。


普通はそれだけなのですが、時々、ここからいろいろ話を振ってくる人がいたりするわけです。
まあ、こちらが興味が無ければ
「Let me go」
でだいたい終わります。


しかし、この男は、あまり話しかけてくるでなく、後を付けてくる。警戒心が俄然高まる。


「これからどこに行くの?」
JS「言いたくないんだ、ごめんね」
「ちょっと話そうよ」
JS「ごめんね。バイバイ。」
「なんで?」
JS(シカト)。


どうやらこの男はかなりタチの悪い類のようだ。


「いいビジネスの話があるから、話そうよ」
JS(シカト)
「はなそうよ。だまってても俺はずっと君から離れないよ」
「どこのホテル泊まってるの?」
JS(シカト)
「ずっと付いていったらどこに行くのかわかるんだから教えろよ」
(また、こりゃ性質の悪いのにつかまったなぁ・・・)
「金払ったら行くからさ。危ない目にあいたくないだろう。半分でいいから金よこしなよ」


こともあろうに脅迫である。通りがかっただけでなんで脅されにゃならんのだ?



そもそも誰を脅迫してると思っているんだ?


日本男児たるもの、そんな理不尽な脅迫に屈するわけには・・・。
いや、だれでも、通りがかりに声を掛けられただけで謂れのない脅迫をされればそうだろうというツッコミはおいておいて・・・



この脅しが日本男児のプライドに火を付けた・・・
JS「誰がはらうかい!!!」
「(持金の)25%でいいから払えよ」
JS「だまれ!!!」



その後も、「このあたりの仲間達に連絡したらお前はムンバイにいられなくなる」などと脅し文句が続く。



ブチ切れ。



JS「うぜぇよ。しばくぞ!!(日本語)。」
「何言ってんの?」
英訳不可能である。
JS「失せろっていってんだよ」
「金払ったら行くよ」



その後、金払え、払わない、なぜ払わない?払う理由がないじゃんか。と理詰めで説明してみるものも引く気配なし。
誠実に受け答えするのはバカバカしい。
「理不尽の前には、誠意や誠実というものは無力である」って誰の言葉だっけ。



しかし、日本男児たるものこんなバカバカしい脅しに折れる気はさらさらない。
かなり激しい口論だったのか、いつのまにやら周囲にはギャラリーが集まってきていた。



先に根負けしたのはやはりこの男。
カバンを強引に奪い去ろうとする。
日本男児は根性が違うのである。



ニヤリ。



よりによって柔道経験者に肉弾戦を望んで来るとは・・・。
カバンをつかんだ彼の手を掴んだ。
頭のなかでは、かつての得意技の背負い投げのイメージは出来上がっている。
JS「うぉりゃぁぁ」
って、あれ、体がイメージどおりに動かない・・・彼のバランスを崩したタイミングを逃し、彼が避けようとする動きに体がよろける。



長年の怠惰で不摂生な生活で・・・日本男児も今ではこの有様・・・
イメージは全盛期のままなのに、動きは見る影も無い。



不発・・・



うーん、イメージでは、こう、華麗に一本背負いを決めて、ギャラリーにスタンディングオベーションの中ガッツポーズを決めていたのだが・・・



そうしている間にギャラリーが私達の間に割って入ってきて仲裁をしようとしてきた。



い、いや、日本男児たるもの一矢も報いないままに引き下がるわけには・・・
せ、せめて地味でも関節技くらいはキメたいなぁ・・・なんて・・・


・・・ほろ苦・・・


しかし、今度は彼がギャラリーに向かって
「こいつのカバンが怪しいから見せろって言ってんのに、見せないから取り上げようとしたんだ」
などと言い出す。
何を況やであるが、インドではよく揉め事にギャラリーが介入するので、その扱い方には注意がひつようだ。。
揉め事を起こしている二人が、それぞれ正当性を主張し、ギャラリーがその正当性を判断するのである。
集団心理もあるし、今まで散々集団というものには痛い目にあっている私である。
ここでうかつに逃げ出したり不審な行動などとったら誤解を招いてマズイことになりそうだ。
すでに15人強の人々に囲まれていた。



いや、それよりも、あの男は今度はギャラリー相手の演説勝負で喧嘩を売ってきたのである。
日本男児はここでも負けるわけにはいかないのである。



カバンの中身を見せ
「このカバンのどこが怪しいんだ?嘘ばっかりつくんじゃないよ。お前が金払えって脅してきて、断ったら、カバン取ろうとしたんじゃないか!」



演説もなにもそのままのコトを言っただけだったりするのだが・・・



演説勝負:JSの圧勝。



ギャラリーが彼につめよって責めはじめた。
って、正義感に燃えたのかインド人のおじさん達が彼をボコボコにし始めてる・・・


シマッタ!!!ノリオクレタ・・・。
日本男児、最後まで柔道技見せることできず・・・



そこでもまだこの男は
「あいつは俺の友達なんだって!ふざけてただけだよ」
などと言い張る。
救いようが無い。



空気は不穏というか、軽い暴動になっていた。
ギャラリーの一人に、ここはもう離れた方が良いよ、と促され、ちょっとだけ気が済んだのでその場を去ろうとした。



「ピーーーーーー」




やっと警察登場である。
遅いよ・・・私が絡まれてるときに登場してくれよ、などと思いながら立ち去ろうとした



警察官が俺を呼び止める。



え、私・・・?!



暴動関係者と共に警察署に連行・・・






『プライドⅡ』


『武士は食わねど高楊枝さ、プライドのためなら死んじまうらしいぜ。』
とは、エレファントカシマシの歌詞。


幸い、死にませんでしたが、警察に捕まってしまいました。



『プライドⅢ』


日本男児たるもの、武道のたしなみがなくては・・・


ダメ人間生活送ってましたが、日本に帰ったら体をイチから鍛えようと思います。


え、禁酒ですか?・・・


そ、それだけは・・・。



『プライドⅣ』


この男、私より英語ぺらぺらでした。
かなりプライドが凹みました。
って、それだけ英語できるんだったら、もうちょっとまともな仕事もできるだろうに・・・
惜しいなぁ・・・と。




『注意書き』


本当にくだらない人間というのはいるもので、この男は連行される車中でも私に向かって

「俺は何にも盗ってないって。お前何にもとられてないだろう?訴えるなよ。俺には仲間がいて、俺が(携帯を指し)電話したら、お前殺されるぞ」
「俺は、これから何もかもなくしてしまうんだ。お前のせいだ、金渡せよ」
などなど、いろいろ言ってきた。


まあ、何て言うんですか・・・。
この男の、一つ一つの脅し文句は、そりゃ、この街の部外者で後ろ盾もなく一人である私にとっては恐い言葉を並べてるわけですが・・・
言ってることが、まあ、矛盾だらけで、ウソツキっていうのがスグにわかってしまうわけです。
しゃべればしゃべるほどボロが出てくる感じ。
だから、この男には負けないな、と・・・
また、この男の、なんていうんですかねぇ、ツマンナイ人間が、安直に、卑怯に人のプライドを踏みにじるような大金の掴み方をしようとする、そういう感じに死ぬほどムカついたのもあるけど・・・。


安直に金を払うことは死んでもしたくなかったし、タクシーとかでその場から逃げるマネもしたくなかったし・・・。
この男も、その腐った根性も完膚なきまでに叩きのめしたかったので・・・こんな感じのコトになった・・・ワケデス。


ええと、何が言いたいかと申しますと・・・インドに限らずどこでも、普通に、脅された場合は、言われたとおり要求を呑んで下さい。
今回、私が脅されて拒否しても無事だったからといって、毎回、無事で済むものではないので・・・。
アクマデモ、生きてこそ笑いのネタになるのですから・・・。


アシカラズ・・・


注*私は勝てそうな相手としかケンカしない卑怯モノですので・・・アシカラズ。